【オアフ島】13周年を迎える12thアベニュー・グリル
ハワイ大学とカハラの間に位置するカイムキは、数年前までは、住宅街に隣接した少しさびれた商業地区でした。それが、ここ最近、味に定評があって、ちょっと小洒落たレストランが立ち並ぶようになりました。どのレストランも、大手レストランとは違って、シェフが作りたいお料理を丁寧に作っているような小規模なレストランばかりです。
その中でも、12thアベニュー・グリルは老舗と言っても過言ではないかと思います。13年前に、カイムキの12thアベニューから少し入ったところ、公共駐車場の入り口にオープンしました。バーカウンターもあり、まるでパリのビストロを思わせるような、居心地のいいレストランでした。数年前に、すぐ近くに場所を移動して、大きくなりましたが、居心地のよさは変わりません。そして、もちろんお料理も。オープン当初から人気のポークチョップ、子供向けのアメリカ家庭料理の定番、マカロニ&チーズをアレンジしたベイクド・マカロニ&チーズは、今ではシグネチャー・メニューです。
12thアベニュー・グリルでは、13周年を記念して、恒例のワインテイスティングでプライベートラベルのワイン5種のお披露目をします。そして新たな試みとして、オーナーシェフのケヴィン・ヘイニーが好んで飲むサントリーのウイスキーのテイスティングディナーを開催することになりました。
レストランのプライベートラベルのワインというと、ワイナリーで作っている既存のワインにレストランのラベルを貼っただけというのもあるそうですが、12thアヴェニュー・グリルは違います。ワインディレクターのリック・リリーさんが、自らワイナリーを一軒一軒訪ねて、レストランにふさわしいだけでなく、レストランのお料理に合ったワインを厳選しました。ワインディレクターに就任する前から、シェフ・ケビンさんのお料理の大ファンだったというリックさんだからこそできることです。ラベルはレストランの宣伝用ではなく、各ワイナリーへの感謝と尊敬の意を込めて、透かしで薄くレストラン名を書いているだけですので、よく見ないと12thアヴェニュー・グリルのプライベートラベルのワインとはわかりません。
6月22日(木)に開催されるワイン・テイスティングの最初のお料理、ハワイのファーマーズマーケットの新鮮な野菜を使ったサラダには、ソーヴィニヨン・ブロンのLieu Dit。カリフォルニア州のワインです。
フライパンでローストした北海道ホタテにカフクコーンのピューレを添えたお料理は、Chehalem Wineryのピノ・グリジオと一緒に。私は、甘めのドイツのリースリング系のワインも好きですが、ちょっと中途半端なピノ・グリジオはあまり好んで飲みませんでした。が、このピノ・グリジオは、単体で飲むとピノ・グリジオらしい、そんなに個性のあるワインではありませんが、お料理と一緒に食べると、甘さをあまり感じなく、どちからとスッキリとした味わいで、大ぶりのホタテのうま味とよく合います。
そして、3日間塩水につけて柔らかくした地鶏には、Neyersのシャルドネが供されました。ボジョレー・タイプのバランスのいい赤ワインです。
りんごのチャツネが添えられたシグネチャー料理のポークチョップには、Tylerのピノ・ノワールです。軽めのドライですが、少し渋めの奥深いワインです。ワイン・テイスティングの詳細は、こちらから。
最近、海外で注目を浴びている日本のウィスキーですが、その中でも、本場ヨーロッパの国々を抑えて世界一に輝くサントリーのウイスキー。その特徴は、ブレンドによって各ウイスキーの良さを引き出し、より香り豊かなウイスキーを作り出す技術の高さです。6月29日(木)に開催される今回のテースティングでは、響の17年と21年、山崎の12年と18年、そして白州の12年と18年をシェフが特別に考案した小さめのお料理6種、そしてメインのお料理と一緒にいただきます。
京都府の山崎蒸留所と山梨県の白州蒸留所で作られたモルト原酒と愛知県の知多蒸留所で作られたグレーン原酒をブレンドした響は、ウイスキー品評会でも毎年高い評価を得ている世界最高峰のブレンデッド・ウイスキーです。
響の17年はスモーキーで青りんごとバニラの香り、21年はオークの香りが高く、しっかりとしたボディで深いアロマがあり、ブランデーに近いような気がしました。お料理は、ニイハウ島のカモシカのジャーキーとハワイ島コナの沖合で獲れたロブスターのタルタルです。ジャーキーと少し甘めの蒲焼ソースは相性抜群。少しずつかじりながら、響の味わいを楽しみたいですね。
アメリカでは、なかなか生で食べないロブスターですが、さすが日本の食にも通じているシェフ・ケビンだけあって、ロブスターでタルタルを作ってくれました。ほんのりとカレー味のココナッツソースがロブスターの味を引き締めています。
サントリーの創業者の鳥井信治郎が、日本で最初のウイスキー醸造の場所として選んだのが京都府の山崎です。そこで醸造されるシングルモルト・ウイスキーは、山崎という銘柄で市場に出ています。山崎は、バランスが良くとれたウイスキーで、若い爽やかな喉ごしのせいか、ウイスキー初心者にも飲みやすいウイスキーです。どちらかというお肉料理に合うようで、今回のテイスティングでは、鴨のレバーと砂肝のコンフィ、そしてマウイの牛のハツと一緒にいただきました。鶏の唐揚げにもよく合う山崎ですから、レバーや砂肝やハツにも負けずに、しっかりとした風合いを味合うことができました。
山梨県の森の中にある白州蒸留所で作られる白州は、スモーキーな香り高いウイスキー。テイスティングでは、ハワイ島産カンパチのたたきとニュージーランド産サーモンで作ったリエットと一緒にいただきます。少し火を通したカンパチ、そしてサーモンには、森の中にある蒸留所で作られるシングルモルトの白州の豊かな香りと味にぴったりです。
ここまでで、かなり満腹状態に近いのですが、最後はハワイ近海で獲れたオナガ(フエダイ)をいただきます。ウイスキー・テイスティングの詳細は、こちらから。
今まであまり馴染みのなかったウイスキーですが、こうやって飲み比べてみると、確かに銘柄、醸造所のある場所、そしてもちろん年代によって違うのがよくわかりました。そしてシングルモルト・ウイスキーをブレンドして作るブレンデッド・ウイスキーの違いも少しわかったような気がしました。というか、シングルモルトとブレンデッドの違いを学んだ初心者には、ウイスキーの世界はまだまだ始まったばかりです。
12thアヴェニュー・グリル
1120 12th Avenue, Honolulu, HI 96816
808-732-9469
info@12thavegrill.com
http://12thavegrill.com
ワイン&ウイスキー・テイスティング:http://12thavegrill.com/events/?view=calendar&month=June-2017
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